星マリナ氏は一歩間違えればA級戦犯ですね

ちょいと調べた『イキガミ』騒動。
ちょっと前の話題ですが、なんでも星新一氏の『生活維持省』に類似しているとか。
ネットでそんな意見が多く書いてあるよ! という星マリナ氏の主張もなんというかお粗末ですが、それ以前の問題として。


この人は何がしたいんですか? 結局文藝界を萎縮させたいのですか?
物語を作るとき誰も思いつかないような完全オリジナル設定の作品しか許されないとでも言いたいおつもりですか。
ベタで塗り固められたライトノベルなどというジャンルは無くなればいいとお考えなんですかね。
そもそも著作権ってそういうのを守るための権利だったっけなぁ……。
あ、某社が映画の既得権益を守ったり某社が他人の褌で儲けを得るための権利でしたね。そうでしたそうでした。
こうやってまた著作権が腐った権利になっていくのでありました。


イキガミ』が今存在するこの場所を数十年前に『生活維持省』でものすごい勢いで通り過ぎていった星新一という作家がいたことは事実でしょう。
生活維持省』が生み出したひとつの流れが巡り巡って『イキガミ』へと辿り着いた、なんて可能性だってあります。
星新一氏はひとつの流れを作った作家として評価されるべきですし、実際に評価もされていることと思います。
このジャンルの先駆者に星新一という男がいて、こういう作品を過去に出していて、こっちのが面白いから是非読んでくれ! という話だったらわかります。
単に星新一がそういう作品を書いていたことを知ってほしい、ということならそれも理解できます。
ですがそれを著作権云々といわれてしまうとちょっとどうかと思うのです。
ジャンルの著作権? アイディアの著作権? あれ? という感じで。


これからSFを書く人は星新一氏の作品は全て読んでおかなければなりません。
そして似ている着想の部分がある作品は星マリナ氏へ許可を取ってから発表しなければいけません。
そんな文藝界は嫌だなぁ。
いくら星新一氏が偉大だと仰ってもこういう考え方の人が著作権握っているようじゃ何か読む気がなくなりますなぁ。
これもまた時代の流れ、と考えるとなんというか嫌な時代になったものだなぁ、と一読書人として残念なことです。