2004年の音楽業界を振り返る(全編敬称略)

2004年は何の年? と聞かれたら私は「パクリの年」であったと答えるでしょう。新堂敦士がパクって安倍なつみがパクって河口恭吾がパクってORANGERANGEがパクる。テレビの2004年の年間チャートを見ながらそんなことを思ってしまいました。「好きな曲、アーティストになぞらえて」というのは所詮言い訳に過ぎません。
当然似ている=問題、というわけではありません。例を挙げるならば車のCMで有名な「Viva!」。これは勿論ヴィヴァルディの「四季」を元にリミックスしたものであって酷似しているのは当然ですがタイトルから何から元ネタがそこにあることがわかる点、及び著作権自体切れているものなので問題性は皆無です。ネタとして他の楽曲をいじり倒す嘉門達夫にしても口頭で、ではありますが歌手に許可を求めているとのことです。親告罪なので許可さえ取れれば問題は無いのでしょう。しかしそれ以外のケースであれば確実に問題点を含んでいます。
パクリの問題点は多々ありますが、やはり元になった曲が名曲であったりヒット作であったりするために当然それを模倣することで楽曲のレベルが高いものとなること、この1点が大きいでしょう。それゆえに売れてしまう。この風潮が続けば音楽業界の権威の失墜から音楽なぞ今更金を出して買ってやるものか、という流れが生まれ*1、更にCDの売り上げが落ちる、と音楽業界の将来を危ぶまずにはいられないのです。

ここまでは個人的感情をなるべく出さずに書きましたが個人的には河口恭吾の場合はコーラスに頼らずに楽曲を構成する辺りからも本人の歌唱力はなかなかだと思いますので売れることに対してよい感情は起こらないにしろそれほど嫌悪感は抱きません。探偵ファイル等で大々的に取り上げられてしまったことから将来どうなるかわからないところですが。安部なつみやORANGERANGEの場合はちょっと……。とはいえ安部なつみの件に関しては憶測ながら若干思うところがあったりもするのですが。あ、新堂敦士は実際に歌っている場面見たことがないので知りません。

しかしそれとは別に今問題視されなければならないこと、それは酷似していることを知った上で「そのアーティストが好きだから」という理由で目を瞑る俗にいうところの「信者」の存在であったりします。大々的に報道されたものを除いて音楽CDを一部固定ファンしか買わないような状態になりつつあるのです。このままではいい曲が正当な評価がされない状況になり完全に「いい曲=売れる曲」ではなく「広告費をかけた曲=売れる曲」とか「メディア的に取り上げやすい話題性のある曲=売れる曲」となってしまいそう*2。年間チャートでKinkiKidsと堂本剛と嵐とが並んだ辺りからなんとなくそんなことを感じました。

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(参考URL)
河口恭吾「桜」疑惑まとめサイト
http://www.geocities.jp/he_was_born/
疑惑の「桜」河口恭吾テレビに登場〜 これはパクリか、チャレンジか 〜(『探偵ファイル』内)
http://www.tanteifile.com/geinou/scoop_2004/01/27_01/
疑惑の「桜」(『探偵ファイル』内)
http://www.tanteifile.com/tamashii/scoop_2004/01/29_01/
安部なつみ盗作疑惑
http://www.geocities.jp/paropro2004/
オレンジレンジパクリ糾弾サイト
http://www.medianetjapan.com/2/20/music_audio/toor/
アンチ オレンジレンジまとめ
http://www.geocities.jp/tsubusu00/
ネットアイドルゆーか15歳は、新堂敦士さんを応援していますWa!。
http://www.geocities.co.jp/Technopolis/3478/

*1:今でも一部そのような流れがあるようですが

*2:いや、なりつつあるのか?